同じ小学校にいた2人が真新しいランドセルを背負った1年生からの夢を持ち続け、プロ野球の頂に立って、対戦する。楽天の田中将大と巨人の坂本勇人だ。
2人は兵庫県伊丹市立昆陽里小学校1年生から「昆陽里タイガース」で野球を始めた。坂本が投手、田中が捕手でバッテリーを組んだ。左翼方向に校舎があり、坂本が3階の窓ガラスを割ると、田中は4階を割った。「僕の方が長打力がありましたからね」。田中が振り返るのがほほえましい。
中学では田中は「宝塚ボーイズ」、坂本は「伊丹シニア」とチームは分かれたが、同じ伊丹市立松崎中学校で机を並べた。きわめて珍しい例だろう。二つの原石が隣に落ちていて、互いに磨き合うことでプロの世界への厳しい道を切り開いてきた。
今、田中は防御率1.05でパ・リーグのトップに立っている。坂本は打率3割6分1厘で2位を引き離して、首位打者レースをリードする。同じ小学校の同級生が20歳になり、リーグを引っ張っているのだ。
野球を始めたときの体験が実は、今生きている。坂本は投手経験から相手投手の心理を読むのにたけている。グラブがたまたま右用しかなく、左利きを右に変えた。坂本のパンチ力はそれが源になっている。
田中は捕手から野球を始めたことで、打者心理を読むくせがついた。だから、野村監督のアドバイスも、乾いたスポンジが水を吸収するように自分のものにしてきた。お互いに「意識しない」というものの、そんなことはない。ローテーション次第だが、20歳のライバル対決は交流戦の大きな楽しみになる。
昆陽里(こやのさと)小学校
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